不眠
不眠でお悩みの方へ:眠れない夜が続くのはなぜ?
「不眠」とは、寝つきが悪い(入眠障害)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)など、睡眠に関する問題が続き、日中の活動に支障が出ている状態を指します。
一過性の不眠は誰にでも起こりますが、慢性的な不眠は心身の健康に大きな影響を及ぼします。その背景には、ストレスだけでなく、治療すべき身体の病気が隠れていることもあります。
不眠の原因となる主な要因と疾患
不眠は、心理的な要因、身体的な要因、環境的な要因などが複雑に絡み合って起こります。主な原因を見ていきましょう。
| 症状とその特徴 | 簡単な説明 | 疑われる主な病気・状態 |
|---|---|---|
心理的・ストレス
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悩みや不安、緊張などのストレスは、交感神経を活発にし、脳を覚醒状態にするため、眠りを妨げます。不眠の最も多い原因です。 | ストレス反応、不安障害、うつ病 |
身体的な病気
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体のどこかの不快な症状が、睡眠を妨げることがあります。特に睡眠時無呼吸症候群は、眠りの質を著しく低下させます。 | 睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、頻尿、アトピー性皮膚炎 |
生活習慣・環境
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ブルーライトやカフェインは脳を覚醒させます。また、アルコールは眠りを浅くし、夜中に目が覚める原因となります。 | 睡眠衛生の悪化 |
不眠で受診を考えるべき目安
慢性的な不眠は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることも知られています。以下の場合は、専門医への相談をお勧めします。
✓ チェックポイント
(1) 次のような症状の有無を確認する
- ✓ 不眠が1ヶ月以上続いている
- ✓ 日中の眠気やだるさで、仕事や家事に支障が出ている
- ✓ 眠れないことへの強い不安や恐怖を感じる
- ✓ 市販の睡眠改善薬やアルコールに頼らないと眠れない
- ✓ いびきや、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された
良い睡眠は、心と体の健康の基本です。慢性的な不眠は治療が必要な「病気」です。生活習慣の改善で効果がない場合は、背景にある原因を特定し、適切な治療を行うことで改善が期待できます。
