「高血圧治療の新常識」内科医が教える『家庭血圧』が鍵を握る理由
執筆・監修:荻野 修平(医師)
専門分野:予防医学、栄養学、内科全般
「家庭血圧」が注目される理由
「病院で測ると血圧が高いけれど、家では正常なのに…」 このような経験はありませんか? これは、病院での緊張から一時的に血圧が上昇する「白衣高血圧」と呼ばれる現象です。
高血圧の診断や治療において、近年、この白衣高圧血圧や、逆に家では高いのに病院では正常な「仮面高血圧」といった見過ごされてきた問題が重要視されるようになりました。
今回は、内科医の視点から、高血圧治療の新しい常識である「家庭血圧」の重要性と、その正しい測り方、そして治療にどう活かすべきかを解説します。
内科医が教える!家庭血圧の正しい測り方
家庭血圧を正しく測ることは、正確な診断と治療に不可欠です。以下のポイントを意識しましょう。
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測定のタイミング:
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毎日、朝と晩の2回、同じ時間帯に測定するのが理想的です。特に、朝の測定は起床後1時間以内の、排尿を済ませた後が良いとされています。
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測定前の準備:
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測定前は5分ほど座って安静にしましょう。
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喫煙、カフェインの摂取、入浴、運動の直後は避けてください。
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測定時の姿勢:
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椅子に座り、背筋を伸ばし、腕は心臓の高さに保ちます。
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「高血圧治療」の新しい常識
従来の病院での血圧測定に加え、家庭での血圧測定を組み合わせることで、より正確な診断が可能になります。
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治療薬の調整:
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家庭血圧のデータは、薬の効果が一日を通してどう変化するかを把握するのに役立ちます。これにより、患者様一人ひとりに合わせた、最適なタイミングと量の薬を調整できます。
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生活習慣改善への意識:
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日々ご自身の血圧を記録することで、食事や運動、睡眠といった生活習慣が血圧にどう影響するかを把握できます。
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▶生活習慣病の予防についてはこちらも参考に: 「健康診断で『要精密検査』と言われたら?内科医が教える不安の解消法」
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静岡ひかり医院からのメッセージ
高血圧は、自覚症状がないまま進行することが多いため、日々のセルフケアが非常に重要です。家庭血圧を正しく測定し、ご自身の体の状態を把握することが、健康な未来への第一歩となります。
もし、ご自身の血圧や生活習慣についてご不安な点がありましたら、ご相談ください。
静岡ひかり医院について

静岡ひかり医院は、内科医が生活習慣病の予防と管理を、眼科専門医が目の健康をサポートするクリニックです。
【参考資料】
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日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」:http://www.jpnsh.jp/guideline_shishin.html
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厚生労働省「e-ヘルスネット:高血圧」:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003
