『体温1℃アップ』で免疫力が劇的に変わる?内科医が教える冬に向けた体温管理術
執筆・監修:荻野 修平(医師)
専門分野:予防医学、栄養学、内科全般
「低体温」は万病のもと。免疫力のカギは体温にあり
冬に向けて気温が下がるこの時期、「手足が冷たい」「風邪をひきやすい」と感じていませんか?
実は、人間の体温と免疫力は密接に関係しており、体温がわずか1℃低下するだけでも、免疫力が30%以上低下すると言われています。体温が下がると、血液の流れが悪くなり、免疫細胞が活性化しにくくなるためです。
今回は、内科医の視点から、体温が免疫にもたらすメカニズムと、体温を効率よく「1℃アップ」させ、冬の感染症に負けない体を作る具体的な管理術を解説します。
内科医が語る!体温が免疫にもたらす影響
体温が下がると、体は様々な不調を引き起こします。
1.血行不良による免疫細胞の運搬阻害:
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体温が低い状態が続くと血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。これにより、病原体を攻撃する免疫細胞が、体中に素早く運ばれなくなってしまいます。
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2.酵素の働きと代謝の低下:
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体内の酵素は、特定の温度(通常37℃前後)で最も活発に働きます。体温が低下すると、これらの酵素の働きが鈍り、代謝や消化機能が低下します。
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3.自律神経の乱れ:
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冷えは体温調節機能に負担をかけ、自律神経のバランスを崩します。その結果、不眠やだるさといった不調を引き起こし、免疫力をさらに低下させます。
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予防医学!体温を効率よく「1℃アップ」させる3つの習慣
体温を上げることは、冬の感染症予防に直結する最高の予防医学です。
1.「筋肉量」の増加を意識する:
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ポイント: 体の熱の約40%は筋肉で生成されます。ウォーキングやスクワットなど、大きな筋肉(太もも、背中)を使う筋力トレーニングを継続することが、最も根本的な体温アップに繋がります。
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2.体を内側から温める「食材」の選び方:
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ポイント: 寒い季節は、体を温める作用のある根菜類(ごぼう、レンコン)や、血行促進効果がある生姜、ニンニク、唐辛子を積極的に摂りましょう。冷たい飲み物は控え、温かいスープや味噌汁で内臓を温めることが大切です。
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▶体を温める食材のヒントはこちら: 「秋の味覚「きのこ」は万能薬?内科医が教える健康効果と食べ方」
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3.「深部体温」を高める入浴法:
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ポイント: 40℃程度の熱すぎないお湯に10分以上ゆっくり浸かり、体の芯(深部体温)を温めましょう。入浴後、体温が下がるタイミングで自然な眠気が訪れ、質の良い睡眠にも繋がります。
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▶睡眠の質を高める方法はこちら: 「寝るだけで病気は防げる?内科医が教える睡眠と生活習慣病の深い関係」
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静岡ひかり医院からのメッセージ

体温管理は、ご自身の免疫力を高め、病気を寄せ付けない体を作るための重要な予防医学です。体温計でご自身の平熱を把握し、対策を始めましょう。
もし、冷えや体調不良でお悩みでしたら、自己判断せずにご相談ください。
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【参考資料】
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日本医師会「冷え症について」:https://www.med.or.jp/forest/health/cold/
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国立循環器病研究センター「熱中症予防のための食事」:http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/kenko/kenko23.html
【免責事項】
このブログ記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断や治療を代替するものではありません。ご自身の体調に不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
