秋の不調は『ビタミンD不足』が原因？内科医が教える免疫力を高める最新習慣

[2025.10.08]

執筆・監修：荻野修平（医師）

専門分野：予防医学、栄養学、内科全般

涼しくなり、過ごしやすくなったはずなのに、「なんだか体がだるい」「風邪をひきやすい」「気分が晴れない」と感じていませんか？その不調、夏の疲れや寒暖差だけでなく、『ビタミンD不足』が原因かもしれません。

ビタミンDは、骨の健康だけでなく、免疫機能やメンタルヘルスにも深く関わる重要な栄養素です。今回は、内科医の視点から、秋にビタミンDが不足しがちな理由と、免疫力を高めるための最新習慣を解説します。

日本人の多くがビタミンD不足であると言われていますが、特に秋は不足に拍車がかかる季節です。

日照時間の減少:
- ビタミンDは、日光（紫外線B波）を浴びることで皮膚で合成されます。秋に入り日照時間が短くなるとともに、外出が減ることで、この合成量が大幅に減少します。
夏の間に使われたビタミンDの減少:
- 免疫機能や体力の維持のために使われたビタミンDが、秋にかけて体内で枯渇し始めます。

免疫力の調整:
- ビタミンDは、免疫細胞（マクロファージやT細胞など）の働きを助け、免疫システムを正常に保つ上で不可欠な役割を果たします。不足すると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
メンタルヘルスの維持:
- ビタミンDは、精神的な安定に関わるセロトニンの生成を助ける作用があることが示唆されています。不足すると、気分の落ち込みや季節性のうつ傾向につながる可能性があります。

ビタミンDは、食生活と生活習慣の工夫で効果的に補えます。

「日光浴」の習慣化:
- ポイント: 紫外線が弱い秋冬でも、午前中の短い時間（15〜30分程度）、手の甲や顔に日光を浴びる習慣をつけましょう。ガラス越しではなく、直接光を浴びることが重要です。
ビタミンDが豊富な食品を摂る:
- ポイント: 食事からビタミンDを補給します。特に、きのこ類（天日干しした干し椎茸など）や魚介類（サケ、マグロ、しらすなど）を意識的に摂りましょう。
- ▶秋の味覚「きのこ」の健康効果はこちら： 「秋の味覚「きのこ」は万能薬？内科医が教える健康効果と食べ方」
規則正しい食生活:
- ポイント: 腸内環境が整っている方が、栄養素の吸収効率が高まります。バランスの良い食事を心がけ、腸内環境を整えることが、ビタミンDの効率的な吸収につながります。

「秋の不調」は、体の内側からのサインかもしれません。ビタミンDの不足を疑い、日々の生活を見直すことが、健やかな秋・冬を迎えるための重要な予防医学です。

もし、長引くだるさや体の不調でお悩みでしたら、自己判断せずにご相談ください。

静岡ひかり医院は、内科医が生活習慣病の予防と管理を、眼科専門医が目の健康をサポートするクリニックです。

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【参考資料】

厚生労働省「e-ヘルスネット：ビタミンD」: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
日本骨代謝学会「骨代謝」：https://jsbmr.umin.jp/basic/kotutaisha_vitaminD.html

【免責事項】 このブログ記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断や治療を代替するものではありません。ご自身の体調に不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。

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