「熱中症にならないように…」が逆効果?“水の飲みすぎ”で不調になる理由
たくさん水を飲んでいるのに、なぜか体がだるい…
連日の猛暑で、「とにかく水分を摂らないと危ない」と、意識的にたくさんの水を飲んでいる方も多いと思います。
しかし、実は“水の飲みすぎ”が原因で、かえって体調を崩す人が増えているのをご存じでしょうか?
この時期、静岡市内でも「水分を意識して摂っているのに体がだるい」「めまいや吐き気がある」「集中力が落ちる」といった相談が増えており、熱中症とはまた別の“水分摂取の落とし穴”があることが分かってきました。
「水の飲みすぎ」で起きる“低ナトリウム血症”とは?
人の体液は、ナトリウム(塩分)などの電解質によってバランスが保たれています。
ところが、水だけを大量に飲み続けると、血液中のナトリウム濃度が薄まり、バランスが崩れてしまうのです。これを医学的には「低ナトリウム血症」と呼びます。
特に、以下のような方は注意が必要です:
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1日に2リットル以上の水を飲んでいる
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汗をかく運動・作業が多い
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スポーツドリンクではなく水だけを飲んでいる
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食欲がなく、塩分をほとんど摂っていない
こんな症状が出たら要注意
水の摂取がかえって体調不良の引き金になっている場合、以下のような症状が出ることがあります。
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頭がぼーっとする
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体がだるい、立ちくらみがある
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吐き気や食欲不振
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筋肉のけいれん
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ひどくなると意識障害を起こすことも…
これらは「熱中症かも?」と思われがちですが、実際には水分と電解質のアンバランスが原因となっているケースもあるのです。
正しい水分補給のポイント
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「水だけ」ではなく、適度な塩分・ミネラルを
→ スポーツドリンクや経口補水液をうまく活用 -
がぶ飲みせず、こまめに摂る
→ 一度に大量に飲まず、1回200ml程度を目安に -
食事で塩分をしっかり補う
→ 食欲が落ちていても、塩分のあるおにぎりや味噌汁などは◎ -
冷房環境でも汗はかいていることを意識
→ 冷房=汗をかかない=水は不要、ではありません
受診の目安と注意点
以下のような場合は、体内の水分・電解質バランスが崩れている可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
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水分を摂っているのに体調が良くならない
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頭痛・吐き気・倦怠感が続く
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ふらつきや意識がぼんやりする
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トイレが極端に少ない、もしくは色が薄すぎる
このブログの監修医師について
本記事は、静岡市駿河区の内科医・荻野修平 医師(静岡ひかり医院)の監修のもと執筆しています。
当院では、夏の体調不良・脱水症状・食欲不振・めまいなどの内科的なご相談にも幅広く対応しております。
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