11月は最終勧奨月!内科医が教えるインフルエンザと『ヒートショック』の同時対策
執筆・監修:荻野 修平(医師)
専門分野:予防医学、栄養学、内科全般
1. 11月が鍵!インフルエンザ予防接種の最終勧奨時期
インフルエンザが本格的に流行する前に抗体を作るため、例年11月いっぱいが予防接種の最終的な勧奨時期となります。まだ接種を済ませていない方は、急いで計画を立てる必要があります。
-
接種のメカニズム: 予防接種は、ウイルス表面のHA(ヘマグルチニン)という抗原に対する抗体を体内に作っておくことです。これにより、感染してもウイルス増殖の初期段階を阻止し、肺炎などの重症合併症のリスクを大幅に軽減します。
-
タイムリミット: ワクチンの効果が出るまでに約2週間かかるため、12月の流行に間に合わせるには11月中に接種を完了することが理想です。
2. 命に関わる!冬の潜むリスク『ヒートショック』
気温が下がる11月以降は、インフルエンザだけでなく、ヒートショックという血管系のリスクも高まります。
-
ヒートショックのメカニズム(詳細):
-
温かい場所から寒い脱衣所へ移動すると、体温を逃すまいとして自律神経の働きにより血管が急激に収縮します(血圧急上昇)。
-
その後、熱い湯船に浸かると、今度は血管が急激に拡張し血圧が急降下します。この急激な血圧変動が、脳卒中や心筋梗塞といった心臓発作を誘発する最大の原因です。
-
3. 内科医が教える!冬の健康を守る「同時対策」
感染症予防と血管の健康を守るための、具体的な予防医学をご紹介します。
対策A:入浴時の「温度差」をなくす
-
ポイント:
-
脱衣所の暖房: 脱衣所やトイレを小型暖房器具で温め、リビングとの温度差をなくすことが、血管の急激な収縮を防ぎます。
-
湯温の管理: 入浴の際は、湯温を40℃以下のぬるめに設定し、肩まで一気に浸からず、ゆっくりと体を慣らしましょう。
-
対策B:免疫力と血管をしなやかに保つ栄養摂取
-
ビタミンDの積極補給: 日照時間が減る冬は、免疫細胞の働きを調整するビタミンDが不足しがちです。魚介類やキノコ類を積極的に摂り、免疫力を維持しましょう。
-
DHA・EPAで血液をサラサラに: 血管をしなやかに保ち、血流改善を助けるDHA・EPA(魚)を摂ることは、ヒートショック予防にも繋がります。
-
▶︎ビタミンDと免疫力の関係はこちら: 「日照不足で『気分が落ち込む』のはなぜ?内科医が教える冬季うつとビタミンDの最新知識」
-
対策C:起床後の「ゆったり動作」と睡眠管理
-
ゆったり動作: 寒い朝、布団の中で手足の軽いストレッチを数分間行い、ゆっくりと自律神経を覚醒させることが、血圧の急上昇を防ぐ上で非常に重要です。
-
睡眠の安定: 質の良い睡眠は自律神経を安定させ、血圧の急変動を抑えます。夜間頻尿や覚醒に注意し、十分な睡眠時間を確保しましょう。
静岡ひかり医院からのメッセージ

11月は、インフルエンザ予防接種とヒートショック対策、両方の健康管理を完了させるべき重要な月です。ご自身の判断に迷われたら、お気軽にご相談ください。
【参考資料】
-
日本循環器学会「ヒートショックを予防しよう」:https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2016/09/JCS2016_ok.pdf
-
厚生労働省「インフルエンザQ&A」:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
-
日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」:http://www.jpnsh.jp/guideline_shishin.html
【免責事項】
このブログ記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断や治療を代替するものではありません。ご自身の体調に不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
