雨が続くと頭が痛い…梅雨時期の“気象頭痛”にどう備える?
雨の日の頭痛、なぜ起こる?──そのメカニズムを知る
雨が降る前後になると「頭が重い」「ズキズキするような痛みがある」という声が増えてきます。これは“気象病”の中でも気圧の低下が引き金となる頭痛=気象頭痛の可能性があります。
気圧が下がると、血管が拡張しやすくなり、三叉神経(顔面や頭部の感覚をつかさどる神経)を刺激しやすい状態になります。その結果、頭痛が誘発されると考えられています。
また、内耳にある気圧センサーが過敏に反応し、自律神経のバランスを崩すことでも、めまい・耳の詰まり感・だるさといった症状が起きることがあります。
梅雨に多い“気象頭痛”の特徴と見分け方
片頭痛のようなズキズキとした痛みや、両側のこめかみ周辺を締めつけるような痛みが代表的です。加えて次のような症状が重なることがあります。
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低気圧が近づくと頭痛が起こる
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頭痛にめまいや吐き気を伴う
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天気予報より体調の方が先に変化する
これらは典型的な“気圧過敏体質”のサイン。慢性的に起こる場合は、ただの天候のせいで片づけず、神経内科や内科での相談が勧められます。
気象頭痛の予防とセルフケア
自律神経を整える生活習慣を日頃から意識することが大切です。
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朝はカーテンを開け、太陽の光で体内時計をリセット
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湿度が高い日は換気と軽い運動で血流を促進
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温かい飲み物や入浴で全身の緊張をゆるめる
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睡眠リズムを崩さず、寝不足を避ける
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市販薬でコントロールできない場合は医療機関で相談を
なお、「片頭痛持ち」の方はカフェインを適量とることで予防的効果がある一方、摂りすぎると逆効果になることもあるため注意が必要です。
医療機関を受診すべきサイン
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痛み止めが効かない頭痛が続く
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頭痛の頻度が増えてきた
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頭痛に加え、吐き気やしびれを伴う
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普段と明らかに違う頭痛が出た場合
繰り返す気象頭痛には、漢方薬(五苓散など)や、自律神経のバランスを整える内服治療が効果的な場合があります。自己判断で済ませず、適切なタイミングで専門的な診断を受けることが大切です。
静岡ひかり医院では“気象頭痛”の診療も行っています
静岡市でも5月末から梅雨入り前の湿度・気圧の変動が本格化してきました。
当院では、こうした季節変化による不調についても丁寧に対応しています。
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頭痛の頻度やタイプの確認
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必要に応じた生活習慣の指導
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体質に合った薬の処方(西洋薬・漢方)
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緊急性の除外と、必要な他科への紹介対応
「なんとなく調子が悪い」をそのままにせず、お気軽にご相談ください。
医師紹介
この記事は、静岡ひかり医院 内科担当医
荻野 修平 医師(総合内科・生活習慣病・予防医療・栄養指導)が監修しています。
症状の背景にある生活習慣や気象要因なども踏まえながら、一人ひとりの体質に寄り添う診療を心がけています。
静岡ひかり医院では、健診異常や体調不良のご相談に対して、LINEからのご予約やオンライン診療にも対応しています。