「冬じゃなく夏にせきが続く…」今なぜ“百日せき”が大流行?
冬でもないのに、せきが止まらない…その正体とは?
最近、「風邪が治ったのにせきだけ続く」「咳止めが効かない」「夜中も咳き込んで眠れない」といった患者さんが静岡市でも増えています。実はこれ、“百日せき”が関係している可能性があります。
かつては子どもの病気というイメージがありましたが、最近では大人にも広がりやすく、しかも夏に流行するケースが増加中です。
百日せきってどんな病気?
百日せきは、ボルデテラ・パータシス菌という細菌による感染症で、感染後には数週間〜数か月にわたって強い咳が続きます。初期は風邪に似ていますが、特徴的なのは以下のような経過です:
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初期:軽い咳や鼻水(風邪のような症状)
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数日後:激しい連続した咳発作が出現
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夜間の咳・嘔吐・息苦しさなどを伴うことも
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数週間〜数か月続く(=百日という名前の由来)
咳は特に夜に悪化しやすく、会話中・食事中に咳が止まらなくなるという訴えも多く見られます。
なぜ今、“夏に”百日せきが増えている?
もともと百日せきには季節性が少なく、免疫が下がったとき・人と接触が増えたときに流行しやすい傾向があります。
今年の夏は以下のような要因が重なり、感染が拡大していると考えられます:
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マスク習慣の緩和で飛沫感染のリスク上昇
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旅行やイベントなどでの人混みで接触機会が増加
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咳が出ても“風邪と思って放置”されやすい
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ワクチンの抗体が年数とともに減っている
厚労省の最新報告でも、今年の百日せき患者数は過去最多クラスとされています。
他の病気との見分けが難しい
百日せきは、以下の病気と間違われやすいです:
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感染後咳嗽(風邪後の咳)
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気管支喘息
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咳喘息
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アレルギー性鼻炎や後鼻漏
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胃酸逆流(逆流性食道炎)
特に大人では症状が軽く、「ただの長引く風邪」と見過ごされやすいため、
3週間以上せきが続く場合は、医療機関での検査・相談が推奨されます。
予防できる?治療は?
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ワクチン:4種混合ワクチン(DPT-IPV)の定期接種が主流。ただし、大人では抗体が減少していることが多く、再感染するケースも。
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治療:抗菌薬(マクロライド系)によって原因菌の増殖を抑えることが可能。
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早期治療が鍵:発症から時間が経つと効果が薄れるため、早めの相談が重要です。
こんな症状があれば受診を検討
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咳が2週間以上続く
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咳が激しく、連続して止まらない・吐くほど出る
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夜間の咳で眠れない
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周囲でも咳をしている人が多い
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通常の風邪薬が効かない
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このブログは、静岡市の内科医・荻野修平医師の監修のもと執筆しています。
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