夏の胃腸疲れを放置しないで!内科医が教える食欲不振の意外な原因と対策
夏の胃腸疲れを放置しないで!内科医が教える食欲不振の意外な原因と対策
執筆・監修:荻野 修平(医師)
専門分野:予防医学、栄養学、内科全般
静岡ひかり医院から地域の皆様へ
夏の暑さが和らぎ、食欲の秋が近づいてきました。しかし、「夏に食欲が落ちてから、なかなか食事が進まない」「なんだか胃が重い...」と感じている方はいませんか?
食欲不振は、単なる「食べられない」という問題ではありません。体のエネルギーが不足しているSOSサインであり、放置すると免疫力の低下や体力低下に繋がり、様々な病気のリスクを高める可能性があります。
今回は、予防医学と栄養学を専門とする内科医の視点から、夏の間に溜まった胃腸の疲れが引き起こす食欲不振の意外な原因と、ご自宅で簡単にできる対策を解説します。
食欲不振は体のSOSサイン!放置してはいけない理由
食欲不振は、体の機能が低下し始めている初期サインです。食べられない状態が続くと、以下のような悪循環に陥る危険があります。
-
エネルギー不足: 食事量が減ると、体の活動に必要なエネルギーが不足し、だるさや疲労感が慢性化します。
-
免疫力の低下: 免疫細胞を作る材料であるタンパク質や、その働きを助けるビタミンが不足し、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
-
内臓の機能低下: 胃腸も疲労し、さらに食欲が湧かなくなるという悪循環に陥ります。
内科医が解説!夏の食欲不振を引き起こす意外な原因
-
1. 冷房による寒暖差ストレス
-
冷房の効いた室内と屋外の温度差は、自律神経のバランスを大きく崩します。自律神経は、心臓の鼓動や呼吸だけでなく、消化器官の働きもコントロールしているため、その乱れが胃腸の動きを鈍らせ、食欲不振を引き起こします。
-
-
2. 栄養の偏り(特にタンパク質不足)
-
暑さで喉ごしの良い麺類や冷たいゼリーばかり食べていると、タンパク質やビタミンが極端に不足します。これらは、体の修復やホルモン生成に不可欠な栄養素であり、不足すると体のだるさや食欲不振を招きます。
-
-
3. 胃酸分泌量の変化
-
夏の冷たい飲食物の摂りすぎや、食欲不振による食事量の減少は、胃酸の分泌量を不安定にさせることがあります。これにより、胃もたれや胸やけといった症状を引き起こし、さらに食事が億劫になることがあります。
-
-
4. 隠れた病気の可能性
-
食欲不振が2週間以上長引く、体重が急激に減少する、吐き気や腹痛を伴う場合は、胃炎や胃潰瘍、甲状腺の病気など、何らかの病気が隠れている可能性も否定できません。
-
栄養学から見た食欲不振の対策
食欲を自然に戻し、胃腸の機能を正常化させるための対策をご紹介します。
-
消化の良い温かいものを摂る:
-
温かいスープや味噌汁は、胃腸を内側から温め、消化吸収の働きを助けます。また、疲れた胃腸に負担をかけにくい「だし」の旨味も、食欲を刺激する効果があります。
-
-
良質なタンパク質を少量ずつ:
-
体の修復に必要なタンパク質を、消化の良い形で摂りましょう。鶏むね肉のささみ、白身魚、豆腐、卵などがおすすめです。
-
-
腸内環境を整える発酵食品:
-
ヨーグルト、納豆、味噌、漬物などの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やし、消化吸収を助けます。腸内環境が整うことで、免疫力向上にも繋がります。
-
-
香りを活用して食欲を刺激:
-
生姜、大葉、ミョウガ、ネギなどの香味野菜や、レモン、梅干しなどの酸味は、唾液の分泌を促し、食欲増進効果が期待できます。
-
静岡ひかり医院からのアドバイス
「食欲がないから...」と食事を抜いてしまうと、栄養不足がさらに食欲不振を招くという悪循環に陥ってしまいます。まずは消化に良いものから少しずつでも摂るように心がけましょう。
もし、食欲不振が長期間続いたり、体重が減少したりするような場合は、自己判断せずに一度当院の内科にご相談ください。
静岡ひかり医院について
静岡ひかり医院は、静岡市に根ざした地域のかかりつけ医です。内科全般の診療に加え、特に生活習慣病の予防と管理に力を入れています。当院は眼科も併設しており、内科と眼科が密に連携することで、糖尿病や高血圧など、全身の健康状態と目の健康が密接に関わる疾患の早期発見と適切な治療をスムーズに行うことができます。
院長は長年の臨床経験を持つ総合内科医として、急性疾患から慢性疾患まで幅広く対応しております。地域の皆様が安心して受診できるよう、丁寧な説明と患者様一人ひとりに合わせた医療を提供することを心がけています。
健康に関するお悩みや、気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
【当院の基本情報】
-
クリニック名: 静岡ひかり医院
-
所在地: 〒422-8021 静岡市駿河区小鹿429-1
-
電話番号: 054-288-6969
-
受付時間:
-
眼科: 月~金 8:30~11:30 / 13:30~16:30、土曜 8:30~11:30 / 13:30~16:30
-
内科: 平日午前診療 8:30〜11:30、午後診療は完全予約制の面談のみ
-
-
休診日: 日曜・祝日
-
アクセス: JR東静岡駅より車で約7分、またはバス「小鹿公民館前」下車から徒歩約2分
-
Webサイト: [静岡ひかり医院 公式サイトへ]
-
当院の診療方針や設備、医師紹介など、さらに詳しい情報はこちらのWebサイトをご覧ください。
-
監修:静岡ひかり医院 荻野修平
【参考資料】
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」
- 日本消化器病学会「機能性ディスペプシア診療ガイドライン2021」
- PubMed「ヘリコバクター・ピロリ菌除菌療法の有効性と安全性:システマティックレビューとネットワークメタアナリシス」
【免責事項】 このブログ記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の症状の診断や治療を代替するものではありません。ご自身の体調に不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。